過払い金の時効や期限の仕組みと10年以上でも請求できる条件

過払い金の時効や期限の仕組みと10年以上でも請求できる条件

「過払い金」とは、貸金業者から借り入れをした際に払った金額のうち、実際に借り入れた金額よりも多く支払った金額のことです。過払い金が発生した場合は、民法703条の「不当利得返還請求」に基づき、貸金業者に対して過払い金を請求することができます。

しかし、過払い金には時効があります。時効とは、過払い金を請求するための権利が消滅する期間のことで、過払い金を請求するための権利は10年間になります。

過払い金請求の時効は止めたり、リセットすることもできます。時効を止めるには、貸金業者に対して請求を行うことで、時効が止まります。貸金業者との取引を再開したり、裁判を起こすことで、リセットすることもできます。

ただし、時効が成立していなくても過払い金請求せずに放置していると、いずれ時効が成立してしまって過払い金を取り戻すことができなくなって損をしてしまう可能性があるので、過払い金がある場合は早めに過払い金請求をするべきです。

目次

過払い金の時効は最後に取引した日から10年

貸金業者から払い過ぎた利息(過払い金)は、不当に得られた利益となります。そのため、民法703条の「不当利得返還請求」に基づき、貸金業者に対して過払い金を請求することができます。ただし、民法では権利が使われなかった場合、10年で消滅するとされているため、過払い金を請求する権利も10年でなくなります。

時効の日数は最後の取引から数える

2009年1月22日の最高裁判所による判決で「特段の事情がない限り取引が終了する時点から起算」とされているため、最初に借り入れた日ではないことに注意しましょう。もし、借り入れ日が15年前だったとしても、完済が7年前であれば、時効まで3年あるので過払い金請求ができるということになります。

5年で時効になってしまう消滅時効

2020年4月1日から改正民法で「消滅時効」という規定が加わりました。「消滅時効」は権利行使できること(過払い金請求ができること)を知った日から5年が経過した場合に時効が成立するという法律です。

2020年4月1日以降に完済した人で過払い金診断や貸金業者から過払い金があることを伝えてもらっていた場合は、2025年に権利行使できること(過払い金請求ができること)を知っていたことになるため、10年の時効よりも早く消滅時効を迎えることになります。

改正民法施行前(2020年3月31日まで)に完済

2020年3月に完済した場合、権利行使できること(過払い金請求ができること)を2020年3月の段階で知っていたとしても時効成立は2030年3月になります。

改正民法施行後(2020年4月1日以降)に完済

2020年4月に完済して権利行使できること(過払い金請求ができること)を知っていた場合、時効成立は2025年4月になります。

キャッシングで発生する過払い金の時効も10年

クレジットカードのキャッシングも金利が利息制限法を超えていれば過払い金が発生しています。クレジットカードのキャッシングであっても過払い金の時効は10年になります。

10年以上になっても過払い金請求できる条件

過払い金の時効は最後の取引から10年ですが、10年以上経過していても過払い金請求ができる場合があります。

借金を現在も返済している

10年以上前に借り入れをしていても、返済が終わっていない場合は、取引が継続しているため、時効にはなりません。ただし、途中で返済を止めて延滞している場合は、最後の取引から10年で時効が成立してしまいます。

同じ貸金業者との付き合いが断片的にある

同じ貸金業者の借金の返済が終了しており、再び借金をして返済をしているといった場合は過払い金請求できる可能性が高いです。

過払い金の時効は最後の取引から10年ですが、同じ貸金業者で返済後に再度借金をしていた場合、一連の取引とみなされ直近取引から時効成立まで10年という状態にすることができるからです。

ただし、消費者金融から借り入れをおこなっていた場合、1年以上空くと分断した取引とされてしまい、10年以上前の取引は時効扱いになることがあります。また、貸金業者によっては数か月経過すると契約番号が新しくなることで分断として扱われ、時効であることを主張されるケースがあります。

貸金業者から不法行為を受けている

貸金業者から借り入れをし、返済までの間に貸金業者に異常な取り立てや暴行、恐喝のような催促をされていたことが判明した場合、時効が止まります。その場合は「最終取引から10年」ではなく、民法第724条により「損害を知ってから3年」になります。

  • 貸金業者に不法行為を受けた場合
  • 脅迫や恐喝、暴力による返済の催促がおこなわれた
  • 取り立ての時に過剰な荷電をされた
  • 午後9時以降や早朝の荷電や訪問がされた
  • 3人以上で取り立てに来た

時効を止めたりリセットしたりする方法

過払い金の請求書(過払い金返還請求書)を内容証明郵便を送る

過払い金の請求書(過払い金返還請求書)を内容証明郵便を貸金業者に送ることで6か月の間、時効を止めることができます。過払い金の請求書(過払い金返還請求書)を内容証明郵便は自分でも送ることができますが、司法書士や弁護士に頼むのが一番正確です。さらに6か月以内に裁判(訴訟)を起こせば、過払い金返還請求権の時効を停止させることができます。

裁判(訴訟)を起こして時効をリセットする

時効を迎える前に、裁判(訴訟)を起こすことで時効をいったんストップさせることができます。また、判決が出た後は時効がさらに10年延長されます。

過払い金は裁判(訴訟)の申し立てが認められるまでは時間経過してしまうため、個人で手続きをして不備が重なり上手く申し立てできないと準備をしている間に時効を迎えてしまう可能性があります。

時効が迫っているときは司法書士や弁護士に依頼して迅速に対応してもらうことをおすすめします。

時効を迎えていなくても過払い金請求できない事例

貸金業者が倒産してしまう

過払い金請求の時効が成立していなくても、その間に貸金業者が倒産してしまうと過払い金請求ができなくなります。

過去に倒産した会社に過払い金請求の集団訴訟をした事例があります。しかし、倒産した会社相手なので、回収できる金額が少ないのが実情です。また、集団訴訟のため、配当金という形で手元に戻るので、金額は数千円だったという事例があります。

過払い金の時効によくある質問

過払い金に時効はあるの?

過払い金の時効は最後の取引から10年とされています。ただし、2020年4月1日から改正民法で「消滅時効」という規定が加わったので人によっては5年のケースがあります。時効については「時効について徹底解説」にて解説していますので参考にご覧ください。

過払い金を放置するとどうなるの?

過払い金を放置すると時効を迎え、請求をしようとしても請求できなくなります。時効を阻止する方法は「時効を止めたりリセットしたりする方法」をご確認ください。

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