自己破産とはわかりやすく条件、手続きの流れ、費用を解説

自己破産とはわかりやすく条件、手続きの流れ、費用を解説

自己破産とは、債務者自身が破産申し立てをすることで借金を解決する手続きのことです。

自己破産には返済の停止や取り立ての停止といったメリットがありますが、自己破産をするためには、申し立てに必要な書類作成や費用がかかります。十分に理解した上で自己破産をおこなうか決断することが大切です。

この記事では自己破産の具体的な条件や手続きの流れ、費用を解説します。

目次

自己破産とはどんな手続きか

自己破産とは、収入や生活に変化があり借金を返済できなくなった場合に、裁判所に申立てを行うことで、財産を清算して債権者に配当する手続きです。その後、裁判所から免責決定が下されれば、残りの借金が免除され、借金はゼロになります。

自己破産をおこなうメリット2つ

借金の支払いが不要になる

免責手続が承認されると、裁判所が支払いが不可能だと認め、借金の支払い義務が免除されます。その結果、税金等一部を除いたすべての借金の支払いが不要になり、借金はゼロになります。これにより、督促や取り立てもなくなり、今後の生活の再建に向けて考えることができ、借金の苦しみから解放されます。

名義が異なる財産は処分の対象にならない

裁判所が定める基準以内の財産(99万円以下の現金や20万円以下の預貯金など)は、手元に残すことができます。また、必要な家財道具(洗濯機や冷蔵庫など)は、処分の対象外となっています。なお、自分の名義以外の財産は、処分の対象外なので、妻名義の自動車や母の名義の保険などは、処分の対象にはなりません。

自己破産をおこなうデメリット4つ

仕事ができなくなることがある

自己破産で仕事をやめる必要はありませんが、仕事の種類によっては一定期間仕事ができなくなります。警備員や保険外交員などの職業は公的資格の利用が制限されるため、自己破産の手続きが進んでいる間は、職業に就くことができません。

クレジットカードが使用できない期間がある

自己破産申請後に消費者はクレジットカードが使用できなくなります。しかし、これは永続的なものではなく、一般的に約5年から10年後には、クレジットカードは再び利用できるようになります。

土地やマイホームを没収されることがある

自己破産をすると全ての財産を失うと思われがちですが、必ずしもそうではありません。具体的には、99万円以下の現金と20万円以下の財産は没収の対象にはなりません。土地やマイホームはむずかしいかもしれませんが、家具や預貯金についてはそれほど心配する必要はありません。任意整理や個人再生を検討することで、土地やマイホームを守ることができるかもしれません。

官報に掲載されて手続きがバレることがある

官報は国や国民に関する様々な情報が掲載されていて自己破産に関する情報も記載されています。 自己破産の情報は、官報の号外の「公告」という部分に掲載されます。 掲載される主な内容は、破産者の氏名、住所、手続の開始決定年月日、手続をした裁判所などで、官報は誰でも読めるので周囲の人に手続きをしたことがバレてしまう可能性があります。

デメリットをより詳しく

自己破産をおこなうための条件

自己破産は、裁判所に申し立てをしたからといって全ての人が認められるわけではありません。

条件1:支払い能力がない状態

自己破産を認める条件のひとつが借金が支払い不能状態であることです。一般的に借金の総額を36か月で割った金額が、毎月の返済可能額を上回っている状態が返済のめどが立たないとみなされます。

借金総額を上回った財産を所有している場合も、換金がむずかしい場合は支払い不能と判断されます。

条件2:免責不許可事由に当たらない

破産法252条で規定されている「自己破産による免責が認められないケース」である免責不許可事由に該当しないことも自己破産するための条件です。

前の自己破産の免責を受けてから7年が経過していないことは免責不許可事由のひとつですが、裁判所が事情を考慮して免責を許可する場合(裁量免責)があります。

条件3:税金など免除されない借金である

自己破産をしても全ての借金は免責されません。税金など支払い義務が残る借金は免除されないので返済を続ける必要があります。

自己破産には「同時廃止事件」と「管財事件」の2種類ある

自己破産には「同時廃止事件」と「管財事件」の2種類があり、選ぶものによって手続きにかかる時間・流れがちがいます。

同時廃止事件は免責許可までの期間が短い

同時廃止事件とは、財産がなく免責理由もない場合に適用される手続きのことで、財産の精算をする必要がないので申し立てから免責許可までの期間が約3~6ヶ月と短いのが特徴です。自己破産のうち70%程度が同時廃止事件です。

管財事件は手続きが長期化しやすい

管財事件とは、精算できる財産を所有している場合や、免責不許可事由がある場合に適用される手続きのことで、破産管財人が財産を調査し管理するので手続きは長期化しやすく、約半年から1年程度かかります。書類作成などの申し立てにも3ヶ月以上かかります。財産の種類が少ない場合に適用される少額管財事件の場合には管財事件が簡素化され期間は短縮します。

自己破産をおこなう流れ

自己破産は6か月~1年を目安に手続きに時間がかかります。

自己破産の手続きは複雑なので、手続きのほとんどを代行してくれる弁護士に依頼する前に、流れを知っておいた方がよいです。

1.手続きを弁護士・司法書士に依頼

債務者自身が手続きすることもできますが、弁護士・司法書士に依頼することで自己破産の手続きはスムーズに進みます。司法書士には書類作成の代行を、弁護士には裁判所とのやり取りを含めた手続き全般を代行してもらうことができます。

2.受任通知が債権者に送られてくる

自己破産の手続きを弁護士・司法書士に代行すると、債権者に対して「受任通知」という書類が送られてくると自己破産の手続きが開始されるので債務者は月々の返済をしなくてもすむようになります。

受任通知には法的な効力があり、債権者は督促や取り立てを行うことができなくなるので自己破産手続きをスムーズに進めることができます。

3.申立の書類を裁判所に提出する

裁判所に自己破産の手続きを申請する書類を作成します。弁護士・司法書士に依頼した場合は、ほとんど代行してもらえるので、作成した書類を債務者の居住地域を管轄する地方裁判所に提出します。

4.破産手続きの開始が決定する

同時廃止か、管財事件(少額管財)かが決まり破産手続きが開始されます。一部の職業や資格はここから免責確定までの一定期間に制限を受けることになります。

5.免責審尋

裁判官、破産管財人(管財事件の場合に裁判所から選出される)と面談し、自己破産する意思などを最終確認されます。

6.免責許可が決定する

最終的に免責を確定するのは裁判所です。借金を支払う必要がなくなり、制限されていた一部の職業や資格も解除(復権)されます。

自己破産に必要な費用

自己破産手続きには裁判所と弁護士に対して支払う費用があります。

手続き方法によりかかる費用が異なり、自己破産には「同時廃止事件」と「管財事件」の2種類があり、管財事件の方が同時廃止事件より費用が高くなります。管財事件では「破産管財人」への報酬が必要なので「予納金」として20万円~50万円程度必要となります。

自己破産に必要な費用の目安

名称費用
同時廃止事件30万円~50万円
管財事件80万円~130万円
少額管財事件50万円~80万円

自己破産についてよくある質問

自己破産するとどうなる?

自己破産をすると、借金の返済の義務が法的になくなり、借金は0になります。財産や収入が不足し、借金の返済が不可能と裁判所判断された場合に成立します。

自己破産後の収入は借金の返済ではなく生活費などにあてられるので、生活の修復につながります。自己破産のメリットについて「自己破産をおこなうメリット2つ」で詳しく紹介しています。

自己破産は家族に影響する?

自己破産は戸籍や住民票に記載されることはないので、家族への影響はほぼありません。破産の事実は官報に載りますが、掲載されるのは本人のみなので安心してください。

家族の財産も自分と名義が異なれば処分の対象にはなりません。詳しくは「名義が異なる財産は処分の対象にならない」をご確認ください。

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