シティックスカードの過払い金請求ができる条件・返還率・期間
シティックスカードは、九州に本社を置くクレジットカード会社で、「CTXカード」のブランド名でクレジットカードを発行しています。貸金業法の改正以前はグレーゾーン金利で貸付をおこなっていた時期があり、そのころの貸付は過払い金請求の対象となります。
2007年4月、シティックスカードは日専連鹿児島からキャッシング部門とクレジットカード部門を譲り受けました。その結果、日専連鹿児島のクレジットカードの過払い金の一部がシティックスカードに請求された可能性があります。
シティックスカードは、過払い金請求への対応が比較的良いことでも知られています。過去にシティックスカードを利用したことがある方は、一度司法書士や弁護士に相談し、過払い金請求が可能かどうかを確認することをおすすめします。
シティックスカードの過払い金請求ができる条件
シティックスカードに過払い金請求をする条件は、2007年6月頃までに利息制限法の上限金利を超える金利で借り入れをしていたことです。
これは、2006年の貸金業法改正以前は、シティックスカードをはじめとする多くの貸金業者が、上限金利を超える法定外金利で貸付をおこなっていたためです。2007年半ばには、ほとんどの貸金業者が金利を引き下げたため、シティックスカードもグレーゾーン金利を撤廃しています。
ただし、シティックカードは、2007年に日専連鹿児島のクレジットカード事業とキャッシング事業を買収しており、日専連鹿児島に対する過払い金請求がシティックカードに移行した可能性があることに注意が必要です。
そのため、シティックスカードに過払い金請求ができるかどうかは、司法書士や弁護士に相談することをおすすめします。
シティックスカードの過払い金が発生する仕組み
貸金業者からの借り入れには、利息制限法と出資法の2つの法律で上限金利が定められています。利息制限法の金利が20.00%、出資法の金利が29.20%とされていました。
のちに法改正がされるまでは、利息制限法と出資法のどちらかの上限金利を決めて貸し付けることができたので、シティックスカードは利息制限法の上限金利20%を越える金利で貸し付けをしていました。
しかし、2010年6月に出資法と貸金業法が改正されたことで、貸し付けの上限金利が出資法の金利29.2%から、利息制限法の金利20.0%に引き下げられました。
貸金業法が改正されてから、シティックスカードは利息制限法の上限金利である「20.00%以内」に変更しています。
2007年6月頃以前からシティックスカードで借り入れしていれば、グレーゾーン金利と呼ばれる、利息制限法と出資法の金利差で払いすぎていた利息を、過払い金として、シティックスカードに過払い金の返還請求をすることができます。
借り入れ金額によって上限金利が変わります。借り入れ金額が10万円未満の場合は上限金利20%、10万円以上100万円未満の場合は上限金利18%、100万円以上の場合は上限金利15%です。
2007年7月以降にシティックスカードで借り入れした方の場合は、上限金利が利息制限法で定められた金利の範囲内なので、過払い金が発生しません。
シティックスカードに過払い金請求ができなくなるリスク
時効が成立してシティックスカードに過払い金請求ができなくなる
過払い金には時効があり、最後の取引から10年が経過すると時効が成立して、シティックスカードから過払い金を取り戻すことができなくなります。
シティックスカードの借り入れに関する情報は、シティックスカードから取引履歴を取り寄せることで確認することができます。
倒産してシティックスカードに過払い金請求ができなくなる
貸金業者が倒産した場合、過払い金請求ができなくなります。
シティックカードは経営状態が安定しているので、倒産に直面する可能性は低いと思われますが、万が一、倒産してしまうと過払い金を取り戻すことができなくなります。
シティックスカードの過払い金が発生している可能性がある方は、はやめに専門家に相談をして過払い金請求の手続きをすることをおすすめします。
シティックスカードの過払い金請求にかかる期間と過払い金の返還率
話し合い和解をするか、裁判をするかによって、過払い金を取り戻すまでにかかる期間(返還期間)と、発生する過払い金に対して実際に返還される金額の割合(返還率)が違います。
話し合いによる交渉で和解した場合は、返還期間が短くなりますが、取り戻せる過払い金が少なくなる傾向があります。一方で、裁判をする場合は、返還期間が長くなりますが、取り戻せる過払い金が多くなる上に、過払い金の元本に対する利息もあわせて取り戻せる可能性があります。
シティックスカードは、過払い金請求の対応が良いことで知られていて、話し合いによる交渉でも高い返還率を期待することができます。
しかし、過払い金請求を自分ですると、貸金業者との交渉に慣れていないので返還期間が長くなったり、過払い金の返還率が悪くなって取り戻せる金額が少なくなるので、過払い金請求を専門的にあつかっていて、経験が豊富な司法書士や弁護士に依頼するべきです。
司法書士・弁護士に依頼してかかる期間と返還率
話し合いで和解(任意交渉)
返還期間 | 返還率 |
---|---|
2か月~4か月 | 80%~100% |
裁判で判決
返還期間 | 返還率 |
---|---|
4か月~半年 | ~100% |
- 上記に記載している返還期間・返済率は、シティックスカードの過払い金請求の目安であって、必ずしも当てはまるものではありません
- 上記に記載している返還期間・返済率は借り入れの状況、シティックスカードの経営状況によってかわります
- 過払い金が返還されるまでの期間によって、過払い金の元本に対する利息はかわります
シティックスカードの過払い金を取り戻すまでの流れ
過払い金請求をする前に、借り入れしたときの金利・金額・日付、返済した金額・日付が記載された取引履歴を、貸金業者から取り寄せます。
貸金業者から取引履歴を取り寄せたら、過払い金がいくら発生するのか引き直し計算をします。
過払い金返還請求書と引き直し計算書を、貸金業者に内容証明郵便で送ります。
過払い金の返還率、過払い金を返還するまでの期間を、貸金業者と話し合いで交渉します。
話し合いの交渉で和解できなければ、貸金業者と裁判をします。
和解または判決が出たら、貸金業者から指定口座に過払い金が振り込まれます。
シティックスカードから取引履歴を取り寄せる
過払い金請求をする前に、シティックスカードから取引履歴を取り寄せます。取引履歴には、借り入れしたときの金利・金額・日付、返済した金額・日付が記載されています。
シティックスカードの取引履歴は、シティックスカードに問い合わせることで取り寄せることができます。
シティックスカードから取引履歴を取り寄せるときの注意点
過払い金請求をする目的を伝えない
シティックスカードから取引履歴を取り寄せるときに、過払い金請求をするといった目的を伝えないように注意してください。
「返済義務がないと知っていて、任意で返済した借金の過払い金は請求することができない」といった内容が、民法705条によって定められています。
シティックスカードに過払い金請求する目的を伝えた上で返済を続けていると、過払い金が少なくなってしまう場合や、過払い金を取り戻せなくなる可能性があります。
ゼロ和解しない
シティックスカードから取引履歴を取り寄せるときに、シティックスカードから「借り入れを0円にする(ゼロ和解)」、「利息を減額する和解書にサインをする」ことが提示されることがあります。
シティックスカードからの条件で和解した場合に、過払い金請求をする権利を放棄することが和解書に記載されていると、過払い金請求が発生していたとしても、過払い金請求をすることができなくなります。
過払い金の引き直し計算をする
シティックスカードから取引履歴を取り寄せたら、引き直し計算をして、過払い金がいくら発生するのかを算出します。引き直し計算には、エクセルと利息計算ソフトを使用します。
利息計算ソフトは、名古屋消費者信用問題研究会、アドリテム無司法書士法人がインターネット上で無料配布しています。
利息計算ソフトに、取引履歴の内容(金利・金額・日付、返済金額・日付)を入力すれば計算することができます。
引き直し計算を自分でするリスク
引き直し計算を自分ですると、複雑な計算を間違える可能性があります。
引き直し計算は、過払い金を請求するための重要なポイントですが、自分で計算をして金額を1円でも間違えると、取り戻せる過払い金が少なくなることや、シティックスカードに過払い金の返還を断られてしますリスクがあります。
司法書士や弁護士といった専門家に依頼をすることで、自分で引き直し計算をして間違えるリスクがなくなるので、1円でも多く、過払い金を取り戻すことができます。
シティックスカードへ過払い金返還請求書と引き直し計算書を送る
取引履歴をもとにして引き直し計算をしたあと、シティックスカードへ過払い金返還請求書と引き直し計算書を内容証明郵便で送ります。
内容証明郵便で送ることで、いつ、誰が、どこに送ったかを証明することができるので、記録として残すことができます。
- 日付
- シティックスカード株式会社
- シティックスカードの代表名
- 名前
- 住所
- 連絡先電話番号
- 振込口座名
- 口座番号
- 契約番号、会員番号
- 〇万円の過払い金を返還請求する旨の内容
話し合いで交渉(任意交渉)
シティックスカードへ、過払い金返還請求書と引き直し計算書を送ったあと、引き直し計算をもとに発生した過払い金の返還率、過払い金を返還するまでの期間を話し合いで交渉します。
過払い金請求の裁判
話し合いによる交渉で和解できなかった場合は、シティックスカードと裁判をします。
裁判の場合は、話し合いによる交渉での和解よりも取り戻せる過払い金の額が多くなりますが、過払い金を取り戻すまでの期間が長くなります。
裁判の途中で和解することもできますが、和解できないと判決が出るまで裁判を4か月~半年程度、あるいはそれ以上の期間続けることになります。
シティックスカードから過払い金が振り込まれる
シティックスカードと話し合いで和解、あるいは裁判で判決が出たあと、シティックスカードとの和解を示す和解書や裁判の判決内容に応じた過払い金が、シティックスカードに指定した口座に振り込まれます。
過払い金請求を専門家に依頼していた場合は、司法書士や弁護士事務所の口座に過払い金が振り込まれたあと、相談料、着手金、基本報酬、成功報酬といった費用が差し引かれた金額が、手元に残る過払い金として振り込まれます。
司法書士や弁護士の費用・料金は過払い金から差し引かれる
過払い金請求を司法書士や弁護士といった専門家に依頼すると、相談料、着手金、基本報酬、成功報酬が、費用としてかかります。
司法書士や弁護士の依頼にしてかかる費用や報酬の定義、上限金額は、日本司法書士会連合会(日司連)や日本弁護士連合会(日弁連)のガイドラインで定められています。
司法書士に依頼した場合にかかる費用は、着手金、基本報酬といった定額報酬が合計5万円以下と定められていますが、弁護士に依頼した場合にかかる費用は、基本報酬が上限2万円と定められているだけで、着手金には上限が定められていません。
司法書士や弁護士といった専門家に依頼をする場合は、過払い金請求にかかる費用や相場について、電話・メールで相談、あるいは直接面談をするときに確認をするべきです。
シティックスカードの過払い金請求をするデメリットとメリット
シティックスカードの過払い金請求をするデメリットとメリットは、過払い金請求をする時点でのシティックスカードからの借り入れ状況によってちがいます。
借金を完済している方、いまも借金を返済中の方、それぞれの状況にあったデメリットとメリットを確認してください。
完済後にシティックスカードの過払い金請求をするデメリットとメリット
メリット | デメリット |
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過払い金を取り戻せる シティックスカードから借り入れが不要になる | シティックスカードから新たな借り入れができなくなる |
借金の完済後にシティックスカードの過払い金請求をするデメリット
借金の完済後にシティックスカードの過払い金請求をするデメリットは、シティックスカードから新たに借り入れることができなくなることだけです。
しかし、他の貸金業者からの借り入れはできるので、大きなデメリットにはならないといえるでしょう。
借金の完済後にシティックスカードの過払い金請求をするメリット
借金の完済後にシティックスカードの過払い金請求をするメリットは、過払い金を取り戻すことができることです。
シティックスカードから取り戻した過払い金を生活の資金にすることができるので、生活を少しでもラクにすることができる可能性があります。
生活がラクになれば、今後も新たな借り入れをしなくてよくなるかもしれません。
借金の返済中にシティックスカードの過払い金請求をするデメリットとメリット
- シティックスカードの借金が50万円、過払い金が100万円
- シティックスカードの借金が100万円、過払い金が50万円
例①では、シティックスカードの借金よりも過払い金が50万円多いので、過払い金をシティックスカードの借金の返済にあてることで、残った過払い金が手元に戻ってきます。
例②では、シティックスカードの借金の返済に過払い金をあてても借金が残るので、借金の返済中にシティックスカードの過払い金請求をする状況になります。
借金の返済中にシティックスカードの過払い金請求をする場合、ブラックリストに載るデメリット、返済中の借金を減額できる、毎月の返済の負担を減らす交渉ができるメリットがあります。
メリット | デメリット |
---|---|
シティックスカードに返済中の借金を減額できる 将来の利息カットや返済期間を見直しする交渉ができる | ブラックリストに載る |
借金の返済中にシティックスカードの過払い金請求をするデメリット
シティックスカードの借金が、返還される過払い金よりも多い場合は、貸金業者と交渉をして、過払い金を差し引いて残った借金を減額する任意整理の手続きをします。
返済の延滞を繰り返したり、借金を滞納したことがある方は、すでにブラックリストに載っているので、過払い金請求をするべきです。
過払い金がいくら発生するかは、貸金業者との取引履歴から払いすぎていた利息を計算する「引き直し計算」をすることでわかります。
引き直し計算をして、発生する過払い金がシティックスカードの借金より多いか、少ないか、結果が分かってから過払い金請求をするかしないかの判断をすることができます。
借金の返済中にシティックスカードの過払い金請求をするメリット
借金の返済中にシティックスカードに過払い金請求をして、過払い金が発生すれば、シティックスカードの借金の返済に過払い金をあてることで、借金を減額することができます。
また、発生した過払い金が借金の残高よりも多ければ、借金を完済することができます。
発生した過払い金で借金が完済できなければ任意整理をすることになりますが、将来発生する利息をカットする、返済期間を見直して延長することができれば、毎月の返済をラクにすることができるようになります。
シティックスカードの過払い金請求によるクレジットカードとローンへの影響
住宅ローン・自動車ローンへの影響
シティックスカードの過払い金請求が、返済中の住宅ローン・自動車ローンに影響することはありません。
過払い金請求をした後に、新たな住宅ローン・自動車ローンの審査に影響することもありませんが、シティックスカードの借金が、返還される過払い金よりも多い場合は、貸金業者と交渉をして、過払い金を差し引いて残った借金を減額する任意整理の手続きをします。
任意整理をすると、信用情報機関に事故情報が登録される、いわゆるブラックリストに載ります。住宅ローンや自動車ローンの審査は、申し込み時の年齢、年収といった情報だけでなく、信用情報機関の情報も対象とするので、ブラックリストに載るとローンの審査に通りにくくなります。
シティックスカードからの借り入れで延滞を繰り返したり、滞納したことがある方は、すでにブラックリストに載っているので、ローンの審査を気にすることなく過払い金請求をするべきです。
シティックスカードについてよくある質問
- シティックスカードに過払い金請求できるのか
-
2007年6月頃までにシティックスカード(または日専連鹿児島)で借り入れをしていた方は、過払い金請求をすることができます。ただし、シティックスカードに過払い金請求をする条件があるので、詳しくは「シティックスカードに過払い金請求ができる条件」を確認してください。
- シティックスカードに過払い金請求するデメリットがあるのか
-
シティックスカードに過払い金請求をすると、原則としてシティックスカードから新たな借り入れをすることがむずかしくなります。しかし、過払い金請求の対象から外した貸金業者からは借り入れすることができます。
- シティックスカードの過払い金請求にかかる期間や過払い金の返還率は?
-
シティックスカードと話し合いで和解した場合は、期間が2か月~4か月程度で過払い金の返還率が80%~100%、裁判で判決した場合は、期間が4ヶ月~半年程度で過払い金の返還率がおよそ100%取り戻せる可能性があります。
シティックスカードの会社概要
シティクスカードは、九州地方に本社を置くクレジットカード会社です。正式名称は「シティックス・カード株式会社」で、株式は上場していません。代表取締役社長を明永元信が務めています。シティックスカードは、日専連福岡、ダイヤモンド秀光社印刷、福岡商事などが主要株主となっています。さらに、西日本シティ銀行、福岡中央銀行、福岡銀行などの金融機関も主要株主に含まれています。
シティックスカードの過払い金請求が残っていて社内ブラックリストに載ってしまうと、これらの銀行のローン審査に通りづらくなる可能性があります。このような問題がありますが、他の銀行から借入をすることは可能です。
シティックスカードの経営状況は安定しており、資本金も2億円と充実しています。2007年4月には、日専連鹿児島からキャッシング・クレジットカード部門を30億円で買収しています。日専連は社会的評価が高いので、この買収はシティックスカードの強みを示しています。同社はクレジットカードの発行を主な事業としており、カードのブランド名は「CTXカード」です。選択できる国際ブランドはVISA、Master Card、JCBで、国内ブランドとしてDCを追加することも可能です。また、個人ローン専用のローンカードサービス「Step」も提供しており、20歳から65歳までなら誰でも申し込むことができます。提携ATMは全国に約4万台あり、九州地方の貸金業者が提供しているサービスですが、全国で便利に利用することができます。
また、シティックスカードは、個人事業主や自営業者の事業用として300万円までの大口融資に対応する「ローンカード オーナーズステップ」という商品も提供しています。クレジットカードのほかにも、フリーローンや教育ローン、JCB商品券など、金融に関連する事業を展開しています。ただし、同社に対して過払い金請求をした場合、これらのサービスは利用できなくなるので注意が必要です。九州地方で便利なサービスを提供しているシティックスカードですが、全国的に知名度の高いカードローン会社や消費者金融も視野に入れると、より低金利で利用できる可能性があるので、そちらを利用しても良いでしょう。