プライメックスキャピタルの過払い金請求ができる条件・返還率・期間

プライメックスキャピタルは大阪にある消費者金融会社で、以前の名前はキャスコでした。

キャスコとして融資をしていたときには、スピード審査・即日融資で、利用する人が多くいました。またインターネット支店であるキャスコ・フォー・ユーを持っており、ネットキャッシングにも積極的に取り組んでいました。

2009年2月にプライメックスキャピタルに社名を変えてから、新しい申し込みは受け付けていません。そのため、2009年2月より前にキャスコでお金を借りた人は過払い金が発生する可能性があります。

しかし、プライメックスキャピタルは過払い金を取り戻すのが難しいとされています。プライメックスキャピタルの返還率は低く、ほとんどの人が納得できない金額を提示するので、裁判をする必要があります。

自分で過払い金請求をすることもできますが、自分で手続きをして過払い金を取り戻すのは不可能に近いです。プライメックスキャピタルに過払い金請求する場合は、弁護士や司法書士といった専門家への相談がおすすめです。

プライメックスキャピタルの過払い金請求の対応状況

プライメックスキャピタルは、過払い金請求に対して厳しい対応をしていることで知られています。返還率は低く、和解すらできないこともあります。

そのため、過払い金請求をする場合には裁判をすることが必要になります。裁判に勝てば、過払い金を支払う義務が発生します。返還率は、プライメックスキャピタルの経営状況によっては満額に近い回収が可能といえるでしょう。

プライメックスキャピタルは経営状態が良好であると考えられます。過去に資本金を10億円に増やしてから、減らしたことがないので、今後の倒産リスクが低いと考えられます。

しかし、2009年2月を最後に新しい貸し付けをおこなっていないので、過払い金請求の時効が近づいています。過払い金が発生する可能性がある方は、はやめに専門家に相談することをおすすめします。

プライメックスキャピタルの過払い金請求ができる条件

プライメックスキャピタルは、2009年2月までに実質年率18.0%以上で融資を受けていた場合に過払い金が発生する可能性があります。

当時はプライメックスキャピタルに限らず、大手の消費者金融会社(アイフル・アコム・プロミスなど)で同様の利率が採用されていました。

プライメックスキャピタルになる前の当時の会社である株式会社キャスコが、社名変更後に新規融資の受付を停止しています。そのため、過払い金が発生するのは、2009年2月までに借り入れをしていることが条件になります。

過払い金を請求する場合には、司法書士や弁護士に相談することをおすすめします。過払い金は10年の消滅時効があるので、時効が成立してしまう前に確認することが大切です。

プライメックスキャピタルの過払い金が発生する仕組み

貸金業者からの借り入れには、利息制限法と出資法の2つの法律で上限金利が定められています。利息制限法の金利が20.00％、出資法の金利が29.20％とされていました。

のちに法改正がされるまでは、利息制限法と出資法のどちらかの上限金利を決めて貸し付けることができたので、プライメックスキャピタル(当時のキャスコ)は利息制限法の上限金利を越える金利で貸し付けをしていました。

しかし、2010年6月に出資法と貸金業法が改正されたことで、貸し付けの上限金利が出資法の金利29.2%から、利息制限法の金利20.0%に引き下げられました。

プライメックスキャピタルは、2009年2月にキャスコから社名変更をしたときに、新たな貸し付けの受付を停止しました。

2009以前からプライメックスキャピタル(当時のキャスコ)で借り入れていれば、グレーゾーン金利と呼ばれる、利息制限法と出資法の金利差で払いすぎていた利息を、過払い金として、プライメックスキャピタルに過払い金の返還請求をすることができます。

借り入れ金額によって上限金利が変わります。借り入れ金額が10万円未満の場合は上限金利20%、10万円以上100万円未満の場合は上限金利18%、100万円以上の場合は上限金利15%です。

2009年2月に社名変更する前から借り入れていた方でなければ、過払い金が発生しません。

プライメックスキャピタルに過払い金請求ができなくなるリスク

時効が成立してプライメックスキャピタルに過払い金請求ができなくなる

過払い金には時効があり、最後の取引から10年が経過すると時効が成立して、プライメックスキャピタルから過払い金を取り戻すことができなくなります。

プライメックスキャピタル(当時のキャスコ)からの借り入れに関する情報は、プライメックスキャピタルから取引履歴を取り寄せることで確認することができます。

倒産してプライメックスキャピタルに過払い金請求ができなくなる

プライメックスキャピタルは経営状態が良好であると思われるので、今後の倒産リスクが低いと考えられます。しかし、かつての大手貸金業者である「武富士」が倒産をしたことからも、プライメックスキャピタルが突然倒産してしまう可能性もあります。

プライメックスキャピタルの経営状況の悪化や倒産によって、過払い金を取り戻すことができなくなる可能性があるので、過払い金が発生する可能性がある方は、はやめに専門家に相談することをおすすめします。

プライメックスキャピタルの過払い金請求にかかる期間

話し合い和解をするか、裁判をするかによって、過払い金を取り戻すまでにかかる期間が違います。

話し合いによる交渉で和解した場合は、返還期間が短くなりますが、取り戻せる過払い金が少なくなる傾向があります。一方で、裁判をする場合は、返還期間が長くなりますが、取り戻せる過払い金が多くなる上に、過払い金の元本に対する利息もあわせて取り戻せる可能性があります。

プライメックスキャピタルへの過払い金請求は、話し合いの交渉で和解できることはほとんどないので裁判になるケースが多いです。

裁判での過払い金請求には6か月～1年かかります。さらに、プライメックスキャピタルが控訴して二審まで持ち込まれると、裁判がさらに長引いてしまう可能性があります。

自分で過払い金請求をすることもできますが、貸金業者との交渉に慣れていないので返還期間が長くなったり、過払い金の返還率が悪くなって取り戻せる金額が少なくなるので、過払い金請求を専門的にあつかっている司法書士や弁護士に依頼するべきでしょう。

プライメックスキャピタルの過払い金を取り戻すまでの流れ

プライメックスキャピタルから取引履歴を取り寄せる

過払い金請求をする前に、プライメックスキャピタルから取引履歴を取り寄せます。取引履歴には、借り入れしたときの金利・金額・日付、返済した金額・日付が記載されています。

プライメックスキャピタルの取引履歴は、プライメックスキャピタルに問い合わせて送ってもらいます。

プライメックスキャピタルから取引履歴を取り寄せるときの注意点

過払い金請求をする目的を伝えない

プライメックスキャピタルから取引履歴を取り寄せるときに、過払い金請求をするといった目的を伝えないように注意してください。

｢返済義務がないと知っていて、任意で返済した借金の過払い金は請求することができない｣といった内容が、民法705条によって定められています。

プライメックスキャピタルに過払い金請求する目的を伝えた上で返済を続けていると、過払い金が少なくなってしまう場合や、過払い金を取り戻せなくなる可能性があります。

過払い金の引き直し計算をする

プライメックスキャピタルから取引履歴を取り寄せたら、引き直し計算をして、過払い金がいくら発生するのかを算出します。引き直し計算には、エクセルと利息計算ソフトを使用します。

利息計算ソフトは、名古屋消費者信用問題研究会、アドリテム無司法書士法人がインターネット上で無料配布しています。

利息計算ソフトに、取引履歴の内容(金利・金額・日付、返済金額・日付)を入力すれば計算することができます。

引き直し計算を自分でするリスク

引き直し計算を自分ですると、複雑な計算を間違える可能性があります。

引き直し計算は、過払い金を請求するための重要なポイントですが、自分で計算をして金額を1円でも間違えると、取り戻せる過払い金が少なくなることがあります。また、プライメックスキャピタルは過払い金請求に厳しい対応をすることで知られているので、過払い金の返還を断られてしまうリスクがあります。

司法書士や弁護士といった専門家に依頼をすることで、自分で引き直し計算をして間違えるリスクがなくなるので、1円でも多く、過払い金を取り戻すことができます。

プライメックスキャピタルへ過払い金返還請求書と引き直し計算書を送る

取引履歴をもとにして引き直し計算をしたあと、プライメックスキャピタルへ過払い金返還請求書と引き直し計算書を内容証明郵便で送ります。

内容証明郵便で送ることで、いつ、誰が、どこに送ったかを証明することができるので、記録として残すことができます。

話し合いで交渉(任意交渉)

プライメックスキャピタルへ、過払い金返還請求書と引き直し計算書を送ったあと、引き直し計算をもとに発生した過払い金の返還率、過払い金を返還するまでの期間を話し合いで交渉します。

ただし、プライメックスキャピタルは、過払い金請求に厳しい対応をすることが多いので、任意交渉による和解は難しく、ほとんどのケースで裁判になります。

過払い金請求の裁判

プライメックスキャピタルと過払い金の返還率、返還期間を決めるための裁判をおこないます。裁判で勝てば取り戻せる過払い金の額も多くなる可能性がありますが、取り戻すまでに6か月～長くて1年間の期間がかかります。

プライメックスキャピタルから過払い金が振り込まれる

プライメックスキャピタルと話し合いで和解、あるいは裁判で判決が出たあと、プライメックスキャピタルとの和解を示す和解書や裁判の判決内容に応じた過払い金が、プライメックスキャピタルに指定した口座に振り込まれます。

過払い金請求を専門家に依頼していた場合は、司法書士や弁護士事務所の口座に過払い金が振り込まれたあと、相談料、着手金、基本報酬、成功報酬といった費用が差し引かれた金額が、手元に残る過払い金として振り込まれます。

司法書士や弁護士の費用・料金は過払い金から差し引かれる

過払い金請求を司法書士や弁護士といった専門家に依頼すると、相談料、着手金、基本報酬、成功報酬が、費用としてかかります。

司法書士や弁護士の依頼にしてかかる費用や報酬の定義、上限金額は、日本司法書士会連合会(日司連)や日本弁護士連合会(日弁連)のガイドラインで定められています。

司法書士に依頼した場合にかかる費用は、着手金、基本報酬といった定額報酬が合計5万円以下と定められていますが、弁護士に依頼した場合にかかる費用は、基本報酬が上限2万円と定められているだけで、着手金には上限が定められていません。

司法書士や弁護士といった専門家に依頼をする場合は、過払い金請求にかかる費用や相場について、電話・メールで相談、あるいは直接面談をするときに確認をするべきです。

プライメックスキャピタルの過払い金請求をするデメリットとメリット

プライメックスキャピタルの過払い金請求をするデメリットとメリットは、過払い金請求をする時点でのプライメックスキャピタルからの借り入れ状況によってちがいます。

借金を完済している方、いまも借金を返済中の方、それぞれの状況にあったデメリットとメリットを確認してください。

完済後にプライメックスキャピタルの過払い金請求をするデメリットとメリット

メリット	デメリット
過払い金を取り戻せる プライメックスキャピタルから借り入れが不要になる	プライメックスキャピタルから新たな借り入れができなくなる

借金の完済後にプライメックスキャピタルの過払い金請求をするデメリット

借金の完済後にプライメックスキャピタルの過払い金請求をするデメリットは、プライメックスキャピタルから新たに借り入れることができなくなることだけです。

しかし、プライメックスキャピタルは、前身であるキャスコから社名を変更した2009年1月からあらたな融資の受付を停止しています。これから新たな借り入れをすることはできないので、特にデメリットはないでしょう。

プライメックスキャピタルの過払い金の時効が成立する前に、1日でもはやく過払い金請求をすべきです。

借金の完済後にプライメックスキャピタルの過払い金請求をするメリット

借金の完済後にプライメックスキャピタルの過払い金請求をするメリットは、過払い金を取り戻すことができることです。

プライメックスキャピタルから取り戻した過払い金を生活の資金にすることができるので、生活を少しでもラクにすることができる可能性があります。

生活がラクになれば、今後も新たな借り入れをしなくてよくなるかもしれません。

借金の返済中にプライメックスキャピタルの過払い金請求をするデメリットとメリット

1. プライメックスキャピタルの借金が50万円、過払い金が100万円
2. プライメックスキャピタルの借金が100万円、過払い金が50万円

例①では、プライメックスキャピタルの借金よりも過払い金が50万円多いので、過払い金をプライメックスキャピタルの借金の返済にあてることで、残った過払い金が手元に戻ってきます。

例②では、プライメックスキャピタルの返済に過払い金をあてても借金が残るので、借金の返済中にプライメックスキャピタルの過払い金請求をする状況になります。

借金の返済中にプライメックスキャピタルの過払い金請求をする場合、ブラックリストに載るデメリット、返済中の借金を減額できる、毎月の返済の負担を減らす交渉ができるメリットがあります。

メリット	デメリット
プライメックスキャピタルに返済中の借金を減額できる 将来の利息カットや返済期間を見直しする交渉ができる	ブラックリストに載る

借金の返済中にプライメックスキャピタルの過払い金請求をするデメリット

プライメックスキャピタルからの借金が、返還される過払い金よりも多い場合は、貸金業者と交渉をして、過払い金を差し引いて残った借金を減額する任意整理の手続きをします。

返済の延滞を繰り返したり、借金を滞納したことがある方は、すでにブラックリストに載っているので、過払い金請求をするべきです。

過払い金がいくら発生するかは、貸金業者との取引履歴から払いすぎていた利息を計算する「引き直し計算」をすることでわかります。

引き直し計算をして、発生する過払い金がプライメックスキャピタルからの借金より多いか、少ないか、結果が分かってから過払い金請求をするかしないかの判断をすることができます。

借金の返済中にプライメックスキャピタルの過払い金請求をするメリット

借金の返済中にプライメックスキャピタルに過払い金請求をして、過払い金が発生すれば、プライメックスキャピタルからの借金の返済に過払い金をあてることで、借金を減額することができます。

また、発生した過払い金が借金の残高よりも多ければ、借金を完済することができます。

発生した過払い金で借金が完済できなければ任意整理をすることになりますが、将来発生する利息をカットする、返済期間を見直して延長することができれば、毎月の返済をラクにすることができるようになります。

プライメックスキャピタルの過払い金請求によるクレジットカードとローンへの影響

住宅ローン・自動車ローンへの影響

プライメックスキャピタルに対して過払い金請求をしたことが、返済中の住宅ローン・自動車ローンに影響することはありません。

過払い金請求をした後に、新たな住宅ローン・自動車ローンの審査に影響することもありませんが、プライメックスキャピタルからの借金が、返還される過払い金よりも多い場合は、貸金業者と交渉をして、過払い金を差し引いて残った借金を減額する任意整理の手続きをします。

任意整理をすると、信用情報機関に事故情報が登録される、いわゆるブラックリストに載ります。住宅ローンや自動車ローンの審査は、申し込み時の年齢、年収といった情報だけでなく、信用情報機関の情報も対象とするので、ブラックリストに載るとローンの審査に通りにくくなります。

プライメックスキャピタルからの借り入れで延滞を繰り返したり、滞納したことがある方は、すでにブラックリストに載っているので、ローンの審査を気にすることなく過払い金請求をするべきです。

プライメックスキャピタルについてよくある質問

プライメックスキャピタルに過払い金請求できるのか

プライメックスキャピタル(当時のキャスコ)に過払い金請求をすることができます。ただし、プライメックスキャピタルに過払い金請求をする条件があるので、詳しくは「プライメックスキャピタルに過払い金請求ができる条件」を確認してください。

プライメックスキャピタルに過払い金請求するデメリットがあるのか

プライメックスキャピタルに過払い金請求をすると、原則としてプライメックスキャピタルから新たな借り入れをすることがむずかしくなります。しかし、プライメックスキャピタルは2009年1月から新たな貸し付けの受付を停止しているので、特に問題ないといえるでしょう。

プライメックスキャピタルの過払い金請求にかかる期間は？

プライメックスキャピタルの過払い金請求では、裁判になるケースが多いです。裁判になると6か月～長くて1年ほどかかることがあります。また、プライメックスキャピタルが控訴して二審まで進むと、さらに裁判が長引く可能性があります。

プライメックスキャピタルの会社概要

プライメックスキャピタルは大阪を拠点にする金融会社です。正式名称は、株式会社プライメックスキャピタルで、 渡邉佳洋氏が代表を務めており、キャッシング以外には信用保証事業、信用購入あっせん事業、ファイナンス事業を手掛けています。所属団体は日本貸金業協会や一般社団法人 日本クレジット協会などで、社会的な信用があることがわかります。

プライメックスキャピタルの経営状況は不明であり、公式サイトには2009年2月までの沿革しか記載されていませんが、資本金は1999年から10億円に増資しており、以降減資していないことから経営状況は良好と考えられます。また、社会的な信用を満たしていることからも経営状態は良いと考えても良いかもしれません。

プライメックスキャピタルは1962年に大阪で創業し、金融業者として手形割引を主に展開してきました。1967年には消費者ローンの事業を開始し、1972年には社名を株式会社ダイショウへ変更しました。1980年には資本金を3億9,000万円へ増資、1989年には自社ビルも新築、社名も株式会社キャスコに変更しました。これらの沿革から、プライメックスキャピタルの経営は過去には順調だったと考えられます。

経営基盤は着々と安定し、現在に至っており、2017年現在の歴史も長くなっています。

プライメックスキャピタルは、一般の店舗のレジ業務にタブレットを導入するタブレットエントリーなどのサービスも提供しており、事業を拡大しています。ただし、経営状況については、キャッシングの新規貸付を停止しているなど、貸金業部門については今後の方向性がわかりません。倒産のリスクがゼロではないことや、過払い金の消滅時効を考えると、過払い金請求をはやめに専門家へ相談することをおすすめします。