住宅ローンや自動車ローンといった、ローンを返済中でも債務整理をして、返済額を減額することやゼロにすることができます。
しかし、ローンを組んで購入した商品は所有権がローン会社にあるので、債務整理をすることでローン会社に取り上げられるリスクがあります。
この記事では、ローン返済中でも債務整理ができる条件やリスクと、ローン返済中の商品を手元に残せる方法を解説しています。
ローン返済中に債務整理ができる条件
ローン返済中に債務整理をするためには、貸金業者で組んだ住宅ローン、自動車ローン、ショッピングローンなどが債務整理の対象となります。
住宅をペアローンで購入した場合や、自動車やバイクをリース契約している場合も債務整理ができます。ローンの返済を延滞したことがあっても、一度債務整理したことがあっても、再び債務整理をすることができます。
ただし、債務整理をするためには、あくまでも貸金業者によって組まれたローンが対象になります。
ローン返済中に債務整理するリスク
債務整理をすると、ローンで購入したもの(住宅、自動車、ショッピングなど)が貸金業者に取り上げられることがあります。
住宅が競売にかけられる
銀行などの貸金業者で住宅ローンを組んだ場合、ローンの返済ができなくなったときに貸金業者が抵当権を持つように、住宅が担保として設定されます。
住宅ローンを含めて債務整理をすると、司法書士や弁護士から送られる受任通知によって住宅ローンの返済が一時的にストップされますが、貸金業者が自宅を競売にかけることがあります。
自動車・バイクが貸金業者に取り上げられる
ディーラー(販売代理店)、銀行、ローン会社のような貸金業者でローンを組んで購入した自動車・バイクは、債務整理をすることで、貸金業者bに取り上げられることがあります。
自動車ローンやバイクローンで購入した自動車・バイクは、ローンの返済が終わるまでは貸金業者に所有権があるためです。
債務整理を司法書士や弁護士に依頼して、貸金業者に受任通知を送ることで、一時的にローンの返済がストップします。しかし、その結果として貸金業者でローンを組んで購入した自動車・バイクは、貸金業者に取り上げられることがあるので注意が必要です。
リース契約している自動車・バイクが取り上げられる
リース契約している自動車やバイクも債務整理をすることができますが、その所有権は契約した会社にあるので、自動車やバイクは取り上げられることになります。
ショッピングローンによる購入品が貸金業者に取り上げられる
ショッピングローンは、携帯電話や時計、重機、着物などを現金で一括購入するのではなく、クレジットカード会社などの貸金業者と契約して購入する方法です。
しかし、ショッピングローンを利用すると、ローンの返済が終わるまでは商品の所有権が貸金業者にあります。
債務整理を司法書士や弁護士に依頼して、受任通知を貸金業者に送ることで、一時的に返済がストップされますが、このような状態では、購入した商品は貸金業者に取り上げられる可能性があります。
ローン返済中の商品を手元に残す方法
毎月の返済額を減額する任意整理
任意整理は、貸金業者と交渉をして、将来利息のカットや借り入れの返済期間を延長する手続きのことです。
任意整理は、対象とする貸金業者(債権者)を選んで手続きをすることができるので、ローンを組んだ貸金業者を対象から外せば、ローン返済中の商品を手元に残しておくことができます。
任意整理をした貸金業者と交渉によって和解することができれば、原則として将来発生する利息をカットして、現在返済中の借金の返済期間を3年~5年に延長して、毎月の返済額を減らすことができます。
借金を最大90%減額する個人再生
債務整理のなかの1つである個人再生は、ローンを組んでいる貸金業者を手続きの対象から外して手続きをすることができます。
ローン返済中の貸金業者を債務整理の対象から外すことができるので、ローンを組んで購入した商品を手元に残しておくことができます。
裁判所に提出した個人再生案が認められると、将来発生する利息をカットして、借金の元本を最大90%減額することができます。原則3年(最長5年)で残った借金を返済することができれば、減額したぶんの借金は免除されます。
ただし、個人再生でも、同じローン会社で複数のローンを組んでいる場合は、1つのローンだけを外して手続きすることができません。すべてのローンをまとめなければいけないので、ローンを組んで購入した商品は、貸金業者に取り上げられてしまうので注意が必要です。
債務整理以外でローンを手放さずに返済をラクにする方法
貸金業者とローン返済のスケジュールの交渉をする
任意整理や個人再生といった債務整理は、司法書士や弁護士に依頼すると貸金業者に送付される受任通知によって返済がストップします。
しかし、ローンを組んだ貸金業者を債務整理の対象に含めると、自宅が競売にかけられたり、ローンで購入した商品が貸金業者に取り上げられるリスクがあります。
ローンを返済中の場合は、債務整理を考える前に、返済を続けながらローンの返済回数を変更(リスケジュール)できるか貸金業者に交渉してみることも有効です。
返済回数を延長することができれば、ローンで購入した商品を手放さずに、毎月の返済額を減額して返済をラクにすることができます。
貸金業者に払い過ぎていた利息を請求する
消費者金融やクレジットカード会社から、2010年より以前に借り入れをしていたことがあれば、貸金業者に利息を払いすぎている可能性があります。
2010年までは上限利息を高く設定している貸金業者が多いので、利息を多く払いすぎていた場合は、過払い金が発生するので、過払い金を返還請求することができます。